弥生の藤井です。
4月といえば桜、桜といえば入社。この時期は給与計算する方は大忙し!
でも、どう忙しいのかは、給与事務に携わっていないとなかなか知りえないですよね。
そこで今回は、「入社時」にポイントをあてて、必要な情報や書類、それから工夫していることなどを、弥生の人事総務部KさんとNさんに聞いてみました。

聞いてみた

まずは様々な書類を回収
給与計算のため、社会保険加入のため、さらには各種同意書に同意してもらうため、入社した本人に提出してもらう書類が何種類もあります。また採用担当者から給与計算に必要な情報を入手します。

  • 人事諸届、扶養控除等申告書、給与・賞与振込口座届出書

    本人記入のこれらから通勤交通費、所得税の計算に必要な情報などを知ることができます。

    弥生では、口座番号の記入ミスがあるかもしれないので、通帳のコピーも提出してもらいます。(Kさん)
  • 採用通知書関連の書類

    これは採用担当者から受け取り、基本給やその他手当の金額を知ることができます。

  • 現況表、健康保険被扶養者届、国民年金第3号被保険者資格取得届、年金手帳、雇用保険被保険者証

    社会保険加入の手続きを取るために、必要に応じて本人に提出してもらいます。現況表は健康保険組合独自で用意されている書類で、配偶者の社会保険加入状況を知ることができます。

    第3号被保険者は、保険料を支払うことなく国民年金加入者となるんです。配偶者の収入が130万円未満の場合に記入してもらいますね。(Nさん)

    健康保険の被扶養者とするために証明書として提出してもらう書類が異なり、例えば、所得のない父母を扶養する場合は非課税証明書、別居の人を扶養する場合は送金証明が必要だそうです。

  • 住民票記載事項証明書

    人事諸届への記入内容の確認や、住民税の自治体を知るためなどに提出してもらいます。


誰に何を渡したか、誰から何を回収するかを把握しておく必要があると思いますが、何か工夫していることはあるでしょうか?

チェック欄がある回収書類一覧表をベースに、個人ごとの回収書類一覧を用意しています。(Nさん)


本当ですね。一覧表に保管方法や取扱方法も明記しているんですね。ところで、入社前まで自分で住民税の払い込みしていた場合、これからは給与天引きになるのでしょうか?

本人の希望があれば、給与天引きにして、会社が本人に代わって市町村に納める(特別徴収)手続きをとりますよ。(Kさん) 

給与事務担当者に敬服!
とにかく給与事務担当者の知識の豊富さ、注意深さ、細やかな配慮などに敬服しました。

賃金支払5原則では、給与は現金で手渡しと規定しているので・・・
安全衛生法により健康診断が必須なので・・・(Kさん)

厚生年金被保険者を国民年金第2号被保険者といって・・・(Nさん)


とKさんもNさんも給与事務に係わる用語がさらりと口から出てきて、終始飛び交っていました。

給与事務担当者は回収した書類に間違いがないか確認できることからも知識の深さがうかがえます。どのような方法で習得するのでしょうか?

以前勤めていた会社でも給与事務を担当していて、そのころから独学なんです。商工会議所主催の社会保険が学べるセミナーに参加したり、本を何冊も読んだり、ときには各機関(健康保険組合など)に直接聞いて学びました。(Nさん)

本を何冊も???それはなぜですか?

1冊だけだと、自分が本の文章を誤解していることに気づかないから(Nさん)


まとめ
個人ごとに異なる場合がある書類を間違いなく本人に渡し、

確実に回収する → 回収漏れや記入漏れ、記入ミスがないかチェックする  → 漏れなどがあれば本人に説明し、正しく記入してもらい回収する・・・

ここまで終わったら、次に行うのは社会保険加入の手続きや給与計算。一連の業務にミスがあってはたいへんなので、神経も使うことでしょう。給与明細書の完成までの道のりが思っていた以上に長いことを知りました。