弥生のヨシです。
前回、法定調書の期日について【法定調書の提出はお済みですか?】でご紹介しましたが、今回は法定調書のひとつである「支払調書」についてのお話です。

確定申告が始まる2月に入ると、「支払調書が来ない!」「支払調書が届いたから確定申告の準備をしなきゃ!」という声をよく耳にします。
「支払調書」は、法定調書のひとつで、提出義務のある法人や個人事業主が「この1年間、”誰に”、”なにを”、”いくら支払い”、”いくら源泉徴収”した」と税務署に報告するための書類です。
企業は、「一定の支払いがあった場合」に、その内容を記載して税務署に提出する必要があります
さらに企業が税務署に提出しなければならない「支払調書」は、取引内容によって金額基準があり、条件に該当する場合だけ作成します。


【支払調書を作成する金額条件の例】
1.原稿料やデザイン料、印税・・・1年間に支払った合計額が5万円を超える場合
2.個人事業主に対する不動産の賃料や権利金等・・・1年間に支払った合計額が15万円を超える場合

「あれ?!」では、今まで金額条件以下でも届いていたり、催促して発行してもらっていた「支払調書」は?と思われる方もいるのではないでしょうか。
実は、個人事業主やフリーランスに対して発行する「支払調書」には、発行義務がありません。企業が、今までの商慣習や「確定申告するときに大変でしょう」と好意で発行していた書類なのです。
消費税も上がり、支払調書の発行にはコストがかかるため、個人事業主やフリーランス向けに支払調書の発行を行わない企業も増えてきています。
平成28年分からは税務署に提出する「支払調書」には、マイナンバー(個人番号)や法人番号を支払調書に記載が必要です。しかし、税務署提出以外の「支払調書」にはマイナンバーを記載してはいけないので、ミスを防ぐためにも、今後「支払調書」の発行をしない企業がもっと増えるかも知れませんね。
参考:「マイナンバー書いたら違反?!「支払調書」の記載方法」 支払調書の画像

そうすると「確定申告書に「支払調書」を添付して提出しているけど、ないと困らない?」と思う方もいるでしょう。
確定申告書には「支払調書」の添付は必要ありません。
しかし、送られてきた「支払調書」は、なくさないように帳簿や領収書と同様に大事に保管しておきましょう。

今後は「支払調書」は、届かないつもりで請求額と源泉徴収額をしっかりと記録し、帳簿をしっかりとつけて、送られてくる「支払調書」は、ありがたく頂戴し、「帳簿チェックの目安」にするくらいがいいかもしれません。
今、「支払調書」の到着を待って確定申告準備をしようと思っている方は、手をつけはじめてはいががでしょう?

最後に、平成27年分の所得税確定申告は、2月16日(火)~3月15日(火)です。
期日に遅れないよう、確定申告の準備をすすめてくださいね。
応援しています。

記事内引用:スモビバ!「支払調書が来ない、届かない。確定申告できない!?