弥生の塩﨑です。
2015年(平成27年)10月から皆さま一人一人に”漏れなく”そして“ダブりなく”通知されるマイナンバー。このブログでも何度か紹介しているとおり、マイナンバーの利用範囲は、「社会保障」「税」「災害対策」の3つの分野(一般企業では「社会保障」と「税」の2分野)のみ。同じタイミングで、法人にも1社1社に”漏れなく”そして“ダブりなく”法人番号が通知されることをご存知でしょうか?今回は、法人に付番される法人番号についてご紹介します。

パオ名刺


◆法人番号とは
法人番号とは、株式会社、国の機関や地方公共団体、税金の申告を行う人格のない社団等など、法人とみなされる事業者に指定される13桁の番号のことです。個人番号(以下「マイナンバー」)と異なり、法人番号は国税庁のサイトで公表され、誰でも自由に閲覧でき、利用することができます。

なお、今まで法人税の申告書や地方税の申告書で記載していた番号は、行政が統一的に管理している番号ではありませんでした。そのため、行政の効率化などの目的から、法人番号が2015年(平成27年)10月より各事業者に付番されることとなったのです。

なお、個人事業主には、法人番号が付番されませんのでご注意ください。

◆誰もが見られる法人番号。なにが閲覧できるの?
法人番号は、国税庁のサイト(以下「法人番号公表サイト(仮称)」)で閲覧ができるようになります。法人番号公表サイト(仮称)では、事業者の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地、そして法人番号の3項目が閲覧できるようになります。
また、商号や所在地等に変更があった場合には、変更履歴も併せて閲覧できるようになるため、新規取引先の企業情報は、法人番号公表サイト(仮称)をチェックするだけで実在する会社かどうか確認できるようになりますね。
更に、法人番号公表サイト(仮称)には、国税庁が把握している最新の名称・所在地情報が掲載されますので、取引先情報の名称・所在地情報の更新を行うことも簡単にできそうです。
使い方次第で便利になりそうな法人番号公表サイト(仮称)の公開が、待ち遠しいですね。


◆法人番号が通知されたらどうしたらいい?
法人番号は、2015年(平成27年)10月以降、書面により国税庁長官から通知されます。この法人番号は、前述のとおり誰でも閲覧できる番号です。通知された書面は、本来管理する必要はありませんが、税理士や会計士などから提出を依頼されたり、各申告書や届出書を作成する際に記載したりと、番号を使用する頻度もそれなりにありそうです。いちいち書類を作成する際に国税庁のサイトで確認するのは面倒ですよね。折角送られてきた書面があるので、法人番号を利用する部署で書類又はPDFを保管しておくほうがよいと思います。


◆法人番号は、どんな時に使うのでしょうか?
法人番号は、主に下記の資料に記載することになります。
 ●国税や地方税の申告書(法人税や消費税など)
 ●税務署等に提出する届出書や申請書
 ●法定調書(給与所得の源泉徴収票や報酬等の支払調書)
 ●給与所得の扶養控除等(異動)申告
 ●健康保険・厚生年金保険新規適用届 など

これらの資料は、2016年(平成28年)1月から順次、法人番号の記載が必要です。

なお、法人番号は利用制限がされていないため、どんな書類に記載しても、どんな使い方をしても大丈夫です。例えば、社員証に番号を記載してもいいですし、請求書に番号を記載するのもOKです。
先日お会いした、特定個人情報保護委員会の委員を務める手塚悟教授は、「名刺に法人番号を記載しておけば、簡単に法人の情報が検索して確認できるようになる。名刺を渡した企業の信用力も上がり、名刺を受取った企業も信用調査等にかけるコストや手間が減る」とおっしゃっていました。

その他、レシートに記載したり、HPに記載するなど、企業のアイデア次第でどんなことにも利用できます。今後、法人番号を使った新たなビジネスが多く出てくるかもしれませんね。

ニャン法人番号


◆法人番号と消費税
現在検討されている消費税の軽減税率(複数税率)が導入される時期に、法人番号が注目を集めそうです。

2017年(平成29年)4月に10%になる消費税ですが、政府は消費税率10%が適用されている期間中に、軽減税率を導入しようと検討しています。現在は、「酒類を除く飲食料品」「生鮮食品」「精米」の3つの区分を軸に、どうやって軽減税率を導入するか検討しています。
仮に軽減税率が導入された場合、現行の「帳簿と請求書などを保存して消費税を計算する方法」のままでは、事業者の“益税”問題が深刻化する恐れがあるようです。卸売業や小売業者などの事業者が仕入税額控除を行う条件として、海外同様「インボイス(送り状)」の発行・保存を義務付けることになる可能性もあります。そうなると、課税事業者かどうかを判断することに、法人番号を利用されそうですね。

ただし、インボイスは、それ相応のシステム投資もかかり、事務作業も増えます。個人番号の陰に隠れて目立っていない法人番号ですが、今後の情報をしっかり押さえておく、そして事業にどう活かせるか検討してみてはどうでしょうか。