ムービーでは一部しかご紹介できなかったので、このブログで、事業者の方々にお聞きした想いを、紹介していきたいと思います。
本日は、米粉麺を作っているひころいちファーム 代表 村上一憲さんです
ひころさん 

「ひころいち」という名前は、生まれ育った故郷、大船渡日頃市町(ひころいちちょう)から取ったんです。震災によって陸前高田の自宅から実家に帰っていた時に、陸前高田に対して恩返しをしたいし、生まれ故郷にも恩返ししたいという思いがあって、故郷の地名の名前をとって「ひころいちファーム」とつけました。
看板
 
震災後もまだ生産者としての道も続けていきたいと思っていたんですが、震災前から使っていた農地は被災したので使えなくなったので、今の場所を紹介してもらって震災の年の9月に農業を再開しました。

震災前から農業はやっていたんですが、元々6次産業というか自分で作ったものを販売していくというスタイルを考えていたんです。お米作りにこだわっていると言うか…。

どうしても新潟のコシヒカリとか、ああいった米どころには、この辺りでいくらこだわっても勝てないと思ったんですよね。どうやって付加価値を付けていけばいいのかって考えて加工することにしたんです。米粉麺を作り始めて「小麦アレルギーの子供が意外にいるんだな」って知りました。最初は小麦の代用品という思いもあったんですけど、アレルギーを持つ方々にも需要があって、私の事業が役立つならばって思ったんです。

  
お米は真っ白で、シンプルなんですけど、それだけだとどうしてもお客さんの目にとまりにくい。お米でパスタ作ったから「それでなに?」ってなりそうな気がしたので、「お客さんの目を引き付けるものはないか?」って考えたんです。自分には野菜があったんですよね。野菜で色を付けてみたら、すごく自然なものができて、今まで思い描いてきた商品にできるなぁって思って、あの商品ができたんです。
ばばば
       「ばばばパスタ」
       お米でできたパスタ。ホウレンソウやトマトなどの野菜で着色されている

東北の沿岸地方っていうのは、農地があってもそれぞれの面積って狭いし、規模が本当に小さいんですよ。なぜ米粉なんだって、お米の産地でないのに。それを逆に利用できないかなって思ったんですよね。狭い面積だけれどもお米の産地にも勝るとも劣らない農業の展開っていうのをできたら、日本がこれから農業人口が減っていく中で、狭い面積、小さい規模で農業がやれる。かつ美味しい物であったり、安全な物を目指していけば、ひとつのモデルになるんじゃないかなって思いがあって。

陸前高田に限らず岩手県、日本の農業をなくしちゃいけないと思いますし、そういう何かこう、ミニマム主義というかアイデアで、農業の面白さっていうのをやっていきたいなって思いがありますけどね。

web
       ひころいちファームのWebサイト
      米粉麺などの加工品や、農園で採れた野菜などが購入できる